19930309

 

 

 

 

今日は私の人生の中で一番かっこいいと思う人について、少しだけ誇らせて欲しい。1993年3月9日生まれ、26年前の今日この世界に生まれてきてくれた、幸せになるべきあの人について。

 

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第一印象は謎めいたクールキャラ、それでいて目の奥に熱いものを秘めているような。

けれどその謎の雰囲気も、少し経てばふわっと溶けていなくなった。見れば見るほどよく笑う、情に溢れた人。口数は多い訳ではないが、あの人が放つ言葉や紡ぐ詞は、いつも暖かな陽だまりを背負っている。

 

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1、休みの日に長く寝ること

2、スケジュールのない日に遅く寝ること

3、アラームを消して遅く起きること

4、新しいスピーカーを買うこと

5、1人でシングルモルトウイスキーを飲むこと

6、新しいMIDI装備を買うこと

7、PM2.5のない晴れた日に長い時間寝ること

8、好きな海外アーティストの公演を観ること

9、延ばしていた作業をまた始める時

10、空腹にアメリカーノを飲む時

 

ユンギさんの小確幸リスト。小さな幸せを感じることだ。睡眠か音楽、時々アメリカーノ、そしてウイスキー

 

眠ることが大好きらしい。もしも5日間旅行に行ったなら、5日間のうち4日は、食べてホテルで横になっていたい。そんなことを言っちゃうくらいにのんびり過ごすのが大好きな人で。

 

けれど音楽のことになると、お布団から抜け出し輝いた目でお話し出すのだ。パジャマのまま始めたいつかのVLIVE。各国からひっきりなしに届く、愛しています、というメッセージにも「ありがと〜」とスタイルを崩さずに答えていた。しかし、後ろの機材はなんですか?と聞かれれば、さっきまで30%で開かれていた瞼を120%に開き、一つ一つ楽しそうに話す。その姿は20代半ばの男の子が、大好きなものについて話す姿そのもので。思い出すだけで頬が緩んでしまう。

 

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ユンギさんが作る音楽はいつも新しい世界へと連れて行ってくれる。時には優しく紡がれたメロディーに癒され、時には強く刻まれたビートにエネルギーが湧き出す。歌詞は過激な表現も溢れているが、ユンギさんのラップテクニックに乗せてしまえば言葉達がさらに息を吹き返し、深い意味を持ち出す。

 

「해가 뜨기 전 새벽이 가장 어두우니까, 먼 훗날에 넌 지금의 널 절대로 잊지 마 (陽が登る前の夜明けが一番暗いから、遠い未来の君は今の君を忘れないで)」

 

Tomorrowという曲の歌詞だ。私自身この歌詞に励ましを得ることが出来たし、言葉や音楽は凄いと感じた。普通なら、夜明けが一番暗いから今こそ頑張れ、と言ってしまいそうなところをユンギさんは、未来の君は今の君を忘れちゃダメだよ、と言うのだ。

 

陽が昇る前の夜明けが一番暗いこと、それを知っているユンギさんだから書ける歌詞であり、その暗いしんどい夜明けを忘れないでこそ、本当の陽を浴びることが出来るんだよ、と大好きな音楽を通して逆境の超え方を伝えているのだ。

 

以前ユンギさんはインタビューでこう言っていた。「僕の作る音楽を聴いた人が癒されて、少しでも先に進んで欲しいという願いがある」そのユンギさんの願いはもう既に叶っていると、ファンの一人として自信を持って言うことが出来る。

 

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2016年8月16日、ユンギさんはAgust Dとしてミックステープを発表した。憧れの人の作った10もの曲が沢山の人の耳に触れる、そう思うとワクワクしたし嬉しかった。だが、その10曲の中には彼の苦悩や葛藤、初めて知る過去が描かれているものもあり、最初に聴いた時の衝撃は今でも忘れない。

 

けれど今では、このミックステープに出会うことが出来て良かった、そう思えるのだ。2011年からコツコツと作り上げたビートに乗せた思いの丈を聴けたこと、彼自身が辛かった過去を大好きな音楽という形で全世界に発信出来るようになったこと、その全てがユンギさんの努力の結晶であり、強さだと思うから。

 

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ユンギさんはいつでも、自分の音楽を聴いた人達の幸せを祈っている。ビルボードやグラミーで賞を貰うことが目標だと口にすることがある。だがその根本にはいつも「誰かの心の支えになるような愛される音楽を作る」という音楽を始めた頃と何も変わらないユンギさんが居るのだ。

 

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「もうすぐだ。今は16時40分だが、1時間20分後にはアルバムが公開される。たくさん悩み、たくさん作業したアルバムだからか、凄く緊張する。いつもアルバムが公開される前にたくさん考え、たくさん心配する。いつも良い結果、良い音楽を聴かせないといけないというプレッシャーもありドキドキすることがあるが、今回のアルバムも念を入れて作った為か、ドキドキ半分、心配半分というところだ。とにかく、Love yourself 承 Herは多くの人が愛してくださるアルバムになって欲しい。まぁ、数値や販売量、チャートも大切だけど、それ以外に大切なことがたくさんあると思う。音楽を始める時もそう思っていたし、この音楽を聴いて多くの人が幸せで楽しんでくれたらいいなと思う。」

 

2017年9月18日のSUGAのログ。Love yourself 承 Herが公開される直前のログだ。世界に名を馳せた分だけ背負うものもある。けれどこのログで、ユンギさんはいつものように冷静に淡々と話をしていた。

 

2017年11月19日、防弾少年団はAMAsに出席しパフォーマンスを行うためにステージに立った。私もリアルタイムで見る為にタブレットの前で待機していた。アメリカのステージに立つ彼らはいつも以上に輝いていた。凄くかっこいいステージだった。だが授賞式を終えた彼らが、ホテルで行ったVLIVEでユンギさんの姿や言動がいつもと違く、あのかっこいい姿に隠していたステージの裏側を知った。

 

ステージ衣装でメイクをしたままのメンバーもいれば、楽な格好に着替えメイクを落としたメンバーもいた。ユンギさんは前者だった。ステージで着ていた水色のシャツに青のネクタイ。髪もセットしたまま、メイクもしたままで。

 

VLIVEの放送が始まり、いつものように笑顔を向けるメンバーの中でユンギさんも同じく笑っていた。少し経てばステージを振り返り出すメンバー達に「シュガヒョンが本当に緊張していた」「あんな緊張しているシュガヒョンは初めて見た」とからかわれていた。私も初めは笑い半分にその放送を見ていたが、一人一人コメントをする流れでユンギさんの番になり、本当に彼が物凄い緊張の中でステージに立ったことを感じた。カメラを向けられれば言葉達者な、あのユンギさんが言葉を詰まらせていたから。メンバー達に優しく笑いかけてもらい、ぽつりぽつり振り返るユンギさんだったが「今日の公演をあまり覚えてないのかもしれない…」と弱々しく笑っていた。

 

2018年6月11日に公開されたバンタン会食の中でユンギさんはこう話していた。「AMAs終わってから俺、シャワー浴びながら泣いたんだ。"もう出来た"からではなく、怖くて。俺が想像してた以上の事だったから。シャワー浴びながら、このプレッシャーどうすればいいんだろうって。」

 

AMAs後のVLIVEで、ユンギさんはステージから降りたままの姿だった。きっとあのVLIVEの放送を終え、メンバーそれぞれ部屋に戻った後にシャワーを浴び、涙を流したのだろう。それがどんなことなのか、ユンギさんが出会ってしまった景色はどんなものなのか、私には一生かけても分からない。でもその出来事を彼の中だけで消化させずに、メンバーの前やファンに話せるようになって良かったとホッとした。

 

ミックステープの中にSo far awayという曲がある。その曲の冒頭部分で「하고 싶은 게 없다는 게 진짜 뭣 같은데,흔한 꿈조차 없다는 게 한심한 거 알어 (やりたい事が無いなんてバカみたいだけど、在り来りな夢すら持てない事が情けないって事は分かってる)」と歌っている。

 

夢が無いことに対して劣等感や情けなさを感じていたユンギさんが、音楽に出会い夢を持ち、6人のメンバーに出会い夢を追い、夢を叶え、描いていなかった程に高いところまで来た。

 

2017年12月14日に日本のラジオ番組に出演したユンギさんが書いた「ゆめをもとう」という言葉。

 

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AMAsから約1ヶ月後のこの言葉に少しの安心感と同時に、ユンギさんの中で感情の整理がついているのかという疑問が浮かんだ。けれど2018年の新年のコメントで「夢が無くても大丈夫です。幸せなら。」とユンギさんが言っていたのだ。それはどこか自分に言い聞かせているようで、メンバーに対しても言っているようで。

 

2018年始、防弾少年団は辛い時期にぶつかり解散話にまでなったと、2018年12月14日に行われたMAMA in Hongkongで打ち明けていた。ユンギさんはその話の間、後ろで小さく頷きながら優しい表情をしていた。解散話が出た時にユンギさんはどんな事を思い、話したのかは分からない。でも、テヒョンとジョングクに送った「사랑한다.(愛してる)」と最後に書かれた長文メールが全ての答えだと思う。自分自身も怖くてどうしたらいいのか分からない時も、小さい弟達の事を思いメールをしたユンギさん。本当に優しい人で、防弾少年団が大好きな人で。

 

以前ユンギさんは言っていた。「10年後も防弾少年団のSUGAとして覚えていてもらいたい」防弾少年団はユンギさんにとって夢の全てなのだろう。

 

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ユンギさんの究極な目標、それは「拍手があるうちに音楽を辞めたい」ということらしい。終わりを見据えた目標に思えるが「その時期がまだまだ先だといいなと思う」と付け加えていた。1日でも長く、音楽を作り、彼の心に拍手が届く日々が続きますように。もしもその時が来ても、私の心の中には彼の作った音楽が心地よく流れているだろう。私だけではなく、彼の音楽と共に青春を過ごした人や、彼の存在が日常の光になった人、彼に救われた人達の心の中で生き続けるのだ。

 

健やかに、よく眠れる幸せな夜がユンギさんに沢山訪れますように。生まれてきてくれて、幸せを届けてくれて、本当にありがとう。

 

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